国際化の波
こんにちは。東大阪孔舎衙道院 道院長の樋口です( ̄(工) ̄)
時代は国際化!と叫ばれてからずいぶん経ちますが、皆さんは日常生活で感じる事はあるでしょうか?
私は、飲食店のメニューや看板等で英語や中国語が併記されているのをよく見るようになった様に感じます。
また、私の地元ではあまりわかりませんが、大阪市内などに出かけると海外の方を多くお見かけします。
たまに英語で道などを聞かれると、あたふたしてしまいますね(笑)
あと、海外製の製品が安く豊富に買える様になったのも国際化になるのかな?
少林寺拳法も、1960年代後半ごろから日本国外にも広がり始め、現在では世界33ヶ国(2008年3月現在)に普及しています。
すごいですねぇ。
私は、海外で教えられる気がしません。だって「こーやって、こう!」って英語でなんて言うかわかりませんから(笑)
あっ、今回のブログはちょっと長いです(;’∀’)
でも、最後まで読んでもらえると嬉しいな(^^♪
では、はりきってどうぞ~♪
少林寺拳法がスポーツ化!?
グローバル化、国際化の流れは少林寺拳法を含め武道全体にあるわけですが、これについて伊吹衆議院議長が2014年10月5日(日)に行われた、公益財団法人日本武道館の 開館五十周年を祝う記念式典「日本武道祭」で興味深い事を述べられています。
以下の記事をご覧ください。
伝統武道「国際化進み、ややスポーツ化」伊吹・衆院議長
2014年10月6日00時38分
■伊吹文明衆院議長
国際化が進むことは、素晴らしいことではありますけれども、伝統武道がややスポーツ化してしまって、国際的な中で勝ち負けを争うということが多くなってきておりますので、一部の伝統武道の中には、勝った時に敗者に対する礼が、相手に対する礼というものが、やや損なわれているものが散見されるのは非常に残念なことだと存じます。伝統武道はスポーツの側面を持ちながら、道という字がついているように生きる術を教える。相手がいなければ競技はできない、相手に対する尊敬と礼儀と、そして変わらぬ相手に対する思いやりと、こういうものを日本人は大切にしてきたわけです。
日本は今もなお、世界で最も社会的秩序が行き届いている国だといわれております。やはり、武道の精神の中にある日本の伝統文化、文化という言葉はその時そのときの日本人の生きる心根、生き様であると思います。(日本武道館開館50周年記念の祝賀会で)
http://www.asahi.com/articles/ASGB57T53GB5UTFK004.html
以上となります。
これには、私も同感ですし、少林寺拳法にも少なからず同じ空気が流れているように感じます。
賞を取ることが目標になってしまっている拳士。それを焚き付ける指導者。賞を取れないからと一緒に組んでもらえない拳士。
私は、こういった成果至上主義な人を見てきました。
こういった状況下で、私が一番期待している。と同時に懸念材料になっている事は、少林寺拳法が全国高等学校総合体育大会(インターハイ)の正式種目に選ばれたことです。
インターハイと少林寺拳法
正式種目になったことは、本当に喜ばしい事です。オメデトー(^^♪
この事により、少林寺拳法の知名度が上がりましたし、若い世代が少林寺拳法を学ぶ入口が広がったと思います。
また、今後の少林寺拳法の発展に大きく影響してくると思います。
その証拠に、インターネット上には、「インターハイ優勝!」「インターハイ○位」といった言葉が多くみられます。
ですが、これば今に始まったことではありません。
私も大学で少林寺拳法をしていた時も、「○○大会、最優秀!」と言った見出しを多く見ました。
もちろん、賞を取る拳士は人並み以上に練習をしてきた成果ですので、本当に素晴らしい事です。そこを否定するつもりはありませんし、評価するべき点です。
学校としても、道院、クラブ単位としても、この明確な成果は良い宣伝材料となりますし、そこを大いに評価してくれます。
しかし、それだけを見ていて良いのでしょうか?
少林寺拳法が何を目的としているのかを考えてみなければなりません。
少林寺拳法は、「人づくりの行」でなのです。
そこは、絶対に忘れちゃいけないんです。
一般財団法人 少林寺拳法連盟の新井庸弘会長もインタビューにおいて、インターハイについて、以下の様にお話しされていました。
2014年度から少林寺拳法がインターハイの正式種目になります。
正式種目になるということは、高校で指導に当たる先生方、あるいは部員の皆さんにとってはすごくよい環境になる、ということです。
その反面、ともすれば成績至上主義に陥りやすい、という弊害があることを留意しないといけません。
(中略)
成績や勝負性にこだわってしまうと、日頃の指導現場がおかしくなってくる……そこがいちばん怖いわけです。
なぜなら少林寺拳法の目的は《人づくりによる国づくり》ですから。
開祖が高い志を持って、この運動を始めたという原点を忘れないでほしいのです。
少林寺拳法を通じて、本当に社会に出て役立つ人間を育てていく。
それを3年間の中で植え付けていくというのが高校のクラブなんです。
その志を失って、目先の成績だけ追い求めていくと、とんでもない人間が育っていく恐れがあります。
選手養成のためではないのです。結果として選手に選ばれるかもしれないけれど、社会に出て役に立つ人間になるために修行する。常に柱はそこです。
他人を負かすために練習しているのではなく、弱い自分に勝つために練習するわけですから。
そういった指導を心がけてほしいです。
(※一部省略しています)
http://www.shorinjikempo.or.jp/federation/new_kaihou/201305/interview.html
まとめ
私が、言いたい事はインターハイが悪い!大会が悪いと言う事ではありません。
一つの目標・ツールとして、とても良いものだと思います。
しかし、それに飲まれない事、うまく活用することが大事なのです。
私も大学時代は、賞を取るために夢中で練習した人間なので、学生さんの気持ちはわかるつもりです。
やっぱり、出るからには賞を取りたいですからね(^^♪
そこで!! 大事になるのが、私たち道院長や幹部拳士達です。
ちぇんと拳士達が進むべき道を照らせているのかどうか、もう一度考えなければいけません。
大会で賞を取るためだけの練習になっていないか?
その点を異常に評価しすぎていないか?
拳士達が何を目標に取り組んでいるのか?
賞を取るためだけの成果至上主義の指導は楽かもしれません。
この大きな流れは非常に強いものです。しっかりとした信念を持っていないと、すぐさま足を掬われてしまいます。
脚下照顧
もう一度、原点を見つめ直し、時代の波を乗りこなし、新たな時代を切り拓いていきましょう。
今回は、いつになく真面目なブログになってしまいました(笑)
そして、最長記録です(笑)
ここまでで、2750文字ほどありますΣ(・ω・ノ)ノ!
最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました。
これから、高校だけでなく中学校などでも少林寺拳法が広がっていけば良いですね。
私も魅力ある少林寺拳法を目指して頑張ってまいります!
ではまた。
(樋口)