道院長日記 | 大阪摂津峡道院

道院長日記
Shorinji Kempo

道院長認証式・新春行事

   1月13日(土)・14日(日)に香川県多度津町にある少林寺拳法の本部で、道院長認証式と新春行事に出席してきました。
 
   13日の道院長認証式は2023年1月~12月に認証を受けた道院長54名が出席しました。
   2022年に大阪摂津峡道院を引き継ぎ、1年間の仮免許であったのが本免許になったという事です。
   研修で先輩道院長のメッセージ等を受け、改めてスタートしたことを実感しました。
 
   翌日、14日は本山の新春法会を含む新春行事に初めて参加しました。

   最初の「師家年頭挨拶」の宗 昂馬(そう こうま)師家の話で印象に残っているのは、少林寺拳法をしたら幸せになりますかと良く聞かれるが、幸せはつくるものではなく感じるものであり、そのためには、まず幸せであることを感じることができるようにならなければいけないという事です。
   これを聞いて思ったことは、信条の一つ目、「我等は魂をダーマよりうけ、身体を父母よりうけたる事を感謝し・・・」という内容です。
   感謝する心は幸せを感じる心に通じますので、まず、ダーマの分霊として、父母を通してこの世に生を受けたことに、感謝する自分でなければと思いました。
 
   また、次の「新春法会」での大澤管長の挨拶では自他共楽の「共楽」について話がありました。
   幸福感を一人で味わうのではなく、多くの人と分かち合えるようにしていくことが「共楽」です。
   このように生きることのできる人が増えれば、誰かを犠牲にしたり、誰かの物を奪ったりすることはなくなり、争いのない平和な社会を実現することができます。それを私達門信徒が率先して実践していこうという内容でした。
 
    その後には、本部講師による「修練会」があり、他道院の方と相対修練を行いました。
 

    最後は庭での「新春のつどい」に参加し、書道や太鼓のパフォーマンスを見ながら、ぜんざいと豚汁をいただきました。
 
    今年一年、よろしくお願いいたします。

 

 

道院長講習会

 5月20日(土)・21日(日)に香川県多度津町にある少林寺拳法の本部で、2023年度の道院長講習会を受講してきました。多度津町は海沿いにある瀬戸内海を臨む小さな町で、とても静かでゆったりとした時間が流れています。

 1947年、少林寺拳法創始者・宗 道臣(そう どうしん)が多度津町の自宅5畳半の道場で始めた少林寺拳法は、多くの人々を魅了して日本中に道場・支部ができ、現在、世界39か国まで広がって、4年に1回、世界大会が行われています。(道院ホームページ内の「少林寺拳法紹介」を御覧ください。)

 本台山(多度津山)の山麓にある少林寺拳法の本部には500畳を超える大きな道場があり、各種研修会・講習会、大学生の合宿などが行われ、本部の高段者や指導員から技のコツを教えてもらったりでき、少林寺拳法を学ぶ人にとっては憧れの地、ふるさとのような場所となっています。

 私が本部へ帰山するのは、2015年当時、梅田YC支部に所属し、支部の仲間と帰山して以来8年ぶりです。

 当日は、前道院長である茨木彩都道院の中野先生と茨木東奈良道院の森迫先生に同行させていただき、車で茨木市を朝の5時に出発、瀬戸大橋を渡り8時頃に本山に到着しました。
 本部指導員の下、新しくなった科目表の連続複数法形の実践修練を行ったり、また、全国から集まった多くの道院長から刺激を受けて有意義な時間を過ごせました。

   講習会が終わったあとは、中野先生のお薦めのうどん屋で「讃岐うどん」を食べ、帰路につきました。
#2023道院長講習会

明鏡止水~武のKAMIWAZA~を見て

 2023年3月1日(水)に放送された「明鏡止水・武のKAMIWAZA」の最終回は、「護身の拳」として、少林寺拳法、ムエタイ、護道が紹介されました。
 
〈映像で紹介された少林寺拳法の内容は概ね次のとおりです。〉
 1977年、日本武道館に日本九大武道(柔道・剣道・弓道・相撲・空手道・合気道・少林寺拳法・なぎなた・銃剣道)が集結したが、その中に、ひときわ護身術としての色合いが強い現代武道が存在する。それが少林寺拳法。戦後、宗道臣によって作られた日本発祥の新しい武道だ。
 
 その特徴は、敵の攻撃に対して突きや蹴りで反撃する技・剛法(例として紹介されたのは燕返)と、関節技や投げ技を駆使して反撃する技・柔法(例として紹介されたのは片胸落)が存在すること。
 これらの技は法形(形)と呼ばれ600種以上も存在し、強力な護身術としてその力を発揮する。
 
 続いての映像で、30年以上、少林寺拳法の技と精神を磨き続け、現在は後進への指導にも当たっている少林寺拳法連盟・理事、井上弘・准範士六段による説明がありました。
「突いてきても、蹴ってきても、つかまれても(あらゆる状況に)対処できる守主功従。単純に見えても法形にはいろいろな理屈が入っている。攻撃を受けてから反撃をしているのではない。(攻撃した)相手がすべて反撃の条件を作ってくれるような感覚になる。」
と説明されました。
 そして、井上理事の説明の中で流されたテロップと説明『相手の攻撃を確実に防御してから反撃をくり出す守主功従、これが少林寺拳法の護身の神髄だ』が、少林寺拳法を上手に説明していると思いました。
 
 次に映像で、〈武のKAMIWAZA〉として紹介されたのが「金的蹴膝受波返」でした。
 KAMIWAZAとしてどんな技が紹介されるか心待ちしていた私は、技の名前を聞いて少しビックリ。どちらかといえば地味な技だったからです。
 でも、技の説明をきいて納得しました。
 防御によって相手をコントロールし一瞬で反撃へと転じる、井上が最も得意とする究極の護身技。相手の蹴りを迎えるように足を前に出し、攻撃の軌道をずらすように受け流す。防御した足は相手の内ももに沿って急所をねらう。寄せては返す波のような足さばきから、たった一撃で相手の戦意を奪うのが、このKAMIWAZAなのだ。
 
 スタジオに戻って、MC・岡田准一の前での実演が始まりました。
 岡田准一の「少林寺拳法はまず守ることを基本にしていますが、技のほとんどはカウンターを入れるのですか?」との問いに、井上理事が答えます。「基本的には防御から反撃の流れが主になるのですが、防御したときには同時に反撃の条件を作っている、受けたとき(の防御で)相手の体勢が崩れるのが良いのです。」と説明されました。
 
 そして前置きで「少林寺拳法の防御の動きに隠された相手の攻撃を無力化する崩し。その秘密を井上が明らかにする。」とテロップと説明があり、次に井上理事による、蹴りに対しての「線の受け」として相手の膝から足首まで受け手を滑らせるように落とす受けが実演されました。
 
 また、関節技として「天秤投」と「閂送」、さらに女性の護身術として「略十字小手」が実演されました。
 
 その後、ムエタイ、護道の紹介があり、番組の最後に再び少林寺拳法の練習風景が映し出され、「組手主体」の修練の中で協力・助け合うことを学ぶことや、安全な防具を身に付け、打撃を直接当てることにより技術を追及することが紹介されました。
 
 この番組は、もともとBSプレミアムで何ヵ月に1回、放送されていたものですが、2023年1月11日から3月1日まで計6回、NHK総合テレビジョン「若年層ターゲットゾーン」水曜日の番組として放送されたものだそうです。
 私は1月11日の初回から見ていましたか、少林寺拳法がなかなか出てこないと思っていたところ、最終回の6回目でようやく登場し、内容も良かったので安心しました。